ゴミ屋敷を行政代執行させたい

ゴミ屋敷を行政代執行させたい!条例などに問題点はあるか?

今は社会問題にまでなっている「ゴミ屋敷」。臭いだけでなく、そこに集まる害虫が他の家まで侵入してきます。

「片付けたい!」とゴミ屋敷の住人以外の人間が思っても、勝手に片付けることはできません。

でも安心してください。最終手段として行政が条例に基づき、強制的に執行できるようになりました。

それもあなたの一言が行政を動かすことになるのです。

今回は「東京都荒川区」を例にあげて説明します。

ゴミ屋敷が行政代執行されるまでの3ステップ

「ゴミ屋敷」が片付けられるまでにはどのような方法がとられるのでしょうか?

あなたにとっては「ゴミ」に見えるものであっても、「ゴミ屋敷」の住人にとっては「ゴミ」ではないのです。

またその「ゴミ」は「ゴミ屋敷」の敷地内にあれば、所有権が発生します。

もしもゴミが公道に出ていた場合は、あなたが捨てることも可能です。

残念ながら行政に相談をして、すぐに「ゴミ屋敷」が片付けられることはありません。

自治体もすぐには「強制執行」でゴミの片づけをするわけではないのです。

以前は憲法29条によって「ゴミ屋敷」の住人しか片づけを行うことができませんでした。

第二十九条
1.財産権は、これを侵してはならない。
2.財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3.私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

(引用:Wikipedia

どんなゴミでも所有している者が「財産だ」と言えば、地域住民は「ゴミ扱い」することができなかったのです。

最近では地方自治体で「ゴミ屋敷に関する条例」が制定され、本格的に行政も力を入れ始めてきました。

東京都荒川区についての条例に一部分を見てみましょう。

廃棄物等による不良状態 廃棄物等(廃棄物並びに雑草、枯れ草及び樹木をいう。以
下同じ。)により、次に掲げる状態のうち2以上が生じていると認められる状態をいう。
ア 廃棄物等により、はえ、蚊その他の害虫又はねずみが発生し、周辺住民の生活環境に係
る被害が生じ、又はそのおそれがある状態
イ 廃棄物等が火災発生の原因となり、付近の建築物に類焼する危険がある状態
ウ 廃棄物等が道路上の歩行者並びに車両の通行及び視界の妨げとなっている状態
エ 廃棄物等の臭気により、周辺住民の生活環境に係る被害が生じている状態
オ 廃棄物等により、ごみの不法投棄を招いている状態
(区の責務)
第3条 区は、区民等の理解と協力の下、良好な生活環境を確保するための施策を推進するよう
努めなければならない。
2 区は、この条例の規定に違反する疑いがあると認められる行為について区民等から申立てを
受けたときは、その内容について調査を行い、この条例の定めるところにより必要な措置をと
らなければならない

(引用:荒川区良好な生活環境の確保に関する条例

一般財団法人地方自治研究機構ではそれぞれ地方自治体の「ゴミ屋敷」の条例について書かれています⇒詳しくはコチラ

まずは「地域住民」からの申し立てで情報を得ていきます。

条例に基づきゴミ屋敷の住民と行政がしっかり話す

この条例は「地域住民への被害がある」「ゴミ屋敷の悪臭や害虫のよって体調不良になった」などの正当な理由がいります。

ただ単に「ゴミ屋敷だから」ではなかなか行政も動いてくれないようです。

行政に話しをする時には、かならずどんな影響があるのかをしっかりと伝えましょう。

また「ゴミ屋敷」の住民と直接話し合いを持つのはおススメできません。

なぜなら「ゴミ屋敷」に住んでいる人にとっては「ゴミ」ではないからです。

まずは民生委員や地区長に相談しましょう。

民生委員や地区長が市役所などに連絡をしてくれるでしょう。

行政機関が何度も連絡する

行政機関が関与してくれたなら、あとはお任せするしかありません。

ただし、行政が「ゴミ屋敷」の住人にいきなり「強制的に片付けます」とは言えません。

あくまでも条例にそって、ゴミ屋敷の住人とコミュニケーションをとっていくのです。

初めはゴミ屋敷の住人に「周りが迷惑している」「体調不良を起こしている」ということを知ってもらうため、何度も話し合いが行われることと思います。

行政もできるだけゴミ屋敷の住人に納得してもらう方法をとるでしょう。(ゴミ屋敷の住人が納得しないと、ゴミを片付けてもまたゴミ屋敷に戻ることがあるからです)

行政によっては、なかなか話し合いを持たない場合もあるので、あなた自身が「今はどういう状況ですか?」と現状をこまかく聞くことです。

行政代執行へ

(代執行)
第10条 区長は、第8条第2項の規定による命令(第6条の規定に違反して土地等を廃棄物等
による不良状態にしたものに係るものに限る。)に基づく行為が履行されない場合において、
他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが
著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定める
ところにより、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費
用を義務者から徴収することができる。

(引用:荒川区良好な生活環境の確保に関する条例

こちらはどうしてもゴミ屋敷の住人と話し合いで解決できない場合の方法です。

強制的に行政がゴミ屋敷を片付けてしまいます。

ゴミ屋敷にはどんな条例がある?

このゴミ屋敷の条例は自治体によって違いがあります。

例えば、京都市条例は、「不良な生活環境」を「建築物等における物の堆積又は放置,多数の動物の飼育,これらへの給餌又は給水,雑草の繁茂等により,当該建築物等における生活環境又はその周囲の生活環境が衛生上,防災上又は防犯上支障が生じる程度に不良な状態」(2条2項)と定義づけ、また、横浜市条例は、「不良な生活環境」を「物の堆積等に起因する害虫、ねずみ又は悪臭の発生、火災の発生又は物の崩落のおそれその他これらに準ずる影響により、当該物の堆積等がされた建築物等又はその近隣における生活環境が損なわれている状態」(2条2項)と定義づけている。

  なお、以上の条例のうち早い時期に制定された足立区条例は、「不良な状態」を「適正な管理がされていない廃棄物・・・により、・・建築物の周辺住民の健康を害し、生活環境に著しい障害を及ぼし、又はそのおそれがある状態」(2条3号)と定義づけている。足立区条例が「廃棄物」という概念を使っているのに対して、京都市条例や横浜市条例は「堆積」という概念を使っているが、これについては「ごみ屋敷条例において『廃棄物』概念を用いると、住人から『俺の大切な財物であり、これらは廃棄物ではない』と主張されたとき、扱いに困るというわけです。・・・・こうした足立区の経験をふまえて、後発自治体のごみ屋敷条例では、『廃棄物』という概念を避けたとのことです」

(引用:一般財団法人 地方自治研究機構

このように「ゴミ」に対しての言葉だけでも「廃棄物」「堆積(たいせき)」という違いがあります。

ただし、どこの自治体でも共通点があります。

  • ゴミ屋敷周辺の地域住民に被害を与える
  • ゴミ屋敷により害虫が増え、地域住民が困る
  • ゴミ屋敷が放火され、周囲に迷惑をかける

このように「ゴミ屋敷」よって想定される被害がある場合は、行政は条例にもとづき動いてくれます。

また、どこの自治体でも鳥や野良猫の餌づけは禁止です。

行政代執行に問題点はあるのか?

行政代執行は「行政代執行法」によって行われる最後の手段となります。いわゆる強制執行とよばれるものです。

ゴミ屋敷の住人が納得をしなくても、話し合いで解決できない・火災を起こした場合は地域住民への被害が大きいなどの理由で、強制的に行われる条例です。

行政代執行により、片付けをおこなった場合の費用はもちろん「ゴミ屋敷」の住人負担となります。

この費用をどのようにして支払っていくのかも問題となるでしょう。

「ゴミ屋敷」を片付けるならトラック詰め放題セットはいかがでしょうか⇒コチラ

まとめ

「ゴミ屋敷」として有名な家はどの自治体にもあると思います。

まずは地域住民が「ゴミをなんとかしてくれ」とゴミ屋敷の住人に苦情を言うことから始まることでしょう。

しかし本人にとっては「ゴミ」ではないので、話し合いにはならないでしょう。

今では、地域住民がボランティアとして片づけを手伝ってくれる自治体や、費用も「町会費」から一部負担してくれる地域も存在しています。

ただし、ゴミ屋敷が片付けられるまでには長い期間がかかるのが現状です。

行政もできる限りはゴミ屋敷の住人が納得してくれる方法を取りたいと、思っているのではないでしょうか?

納得したことにより、再度「ゴミ屋敷」となる確率は低くなるかもしれないからです。

しかしゴミ屋敷の住人は「ゴミ」としての認識はしていないので、強制執行となることが多いでしょう。

もしもあなたが勝手にゴミ屋敷の敷地内のゴミを処分した場合は、あなたの方が罰せられてしまいます。

長い期間がかかっても、きちんと行政を通してゴミ屋敷を片付ける方法を取ってください。